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高速点加熱
<<HPH-60/f30/36V-450W/WCU-60>>
1.ハロゲンポイントヒーター 型式一覧
2.機種選定の方法
2-1.加熱範囲を確定します。
2-2.「焦点径と出力密度と焦点距離とヒーター径」の表で適切な焦点径のヒーターを選定します。
紙や樹脂のように燃えやすい物を加熱するときは出力密度の低い製品を選びます。
金属加熱は出力密度の大きい製品を選びます。
2-3.ヒーターの冷却方式を選定します。
■ 冷却ファン搭載型はヒーターコントローラーだけで使用できます。
■ 圧縮空気冷却型はヒーターコントローラーとエアコンプレッサーが必要ですが小型です。
■ 水冷型はヒーターコントローラーとチラー(冷水器)が必要ですが、真空容器の中でも使用できます。
2-4.用途に応じたヒーターコントローラーを選定します。
■ 手動制御→HCVシリーズ
■ 自動温度制御→HHC2シリーズ
■ 階段温度制御→SSCシリーズ
※ヒーターコントローラーの詳細は下記のページで説明しています。
3.焦点径と出力密度と焦点距離とヒーター径
4.ハロゲンポイントヒーターの特徴
ハロゲンポイントヒーターは、ハロゲンランプのエネルギーを集光鏡でポイントに集中する高温加熱ヒーターです。
4-1.高温加熱、わずか5秒で1000℃~1400℃ (超小型は800゛)に昇温します!
電気から放射エネルギーへの変換効率が高く、
ハロゲンランプのエネルギーを一点に集中させると、1400℃~1500℃の高温になります。
4-2.瞬間加熱、加熱時間短縮ができます。
HPHは大量の熱を光速で伝えるため、装置の小型化、加熱時間の短縮ができます。
今まで、アイドリングに30分かけていたのが、アイドリングタイムはゼロにできます。
省温のタイムラグが無いので、手待ち時間の無駄を省きます。
昇温が速いので、アイドル時には電源OFFにできます。 省エネで電気代を節約できます。
電気使用料金も、1日当たり、2kW x 0.5h x 31 =31円コストダウン
年間(250日稼動)で、3040円コストダウン。 さらに、C02の年間排出量も100kg低減!
※ 電気使用料金単価は31円/kWhとして計算しました。
※ CO2排出係数は、0.4kg-CO2/kWhとして計算しました。
4-3.ガラス越しの加熱ができます。
石英ガラスは可視光と近赤外域での吸収はほとんどなく、透過率は93%。反射が7%あるだけです。
ガラス越しに、真空中・不活性ガスの雰囲気内でも加熱作業ができます。
4-4.高精度の温度制御ができます。
温度は供給電圧により常温から最高温度まで任意にコントロール可能です。
ランプの電源電圧,出力は任意の設計が可能ですが、出力は最大2.5kW程度です。
4-5.クリーンです。
光で非接触加熱するので、完全なクリーン加熱や真空中での加熱が可能です。
4-6.長寿命化もできます。
ランプ寿命は供給電圧により通常寿命から長寿命まで任意にコントロール可能です。
上図の様に、定格電圧から10%下げて使用すると、設計寿命が3倍に伸びます。
定格電圧から20%下げて使用すると、設計寿命が9倍に伸びます。
4-7.安全性に優れています。
人体に対して比較的安全な加熱装置です。
石英ガラス製なので塵やガスの発生がなく、快適に作業できます。
また、トラブル時、ヒータ降温が速いため、被加熱物の発火の危険性が軽減できます。
4-8.他の光加熱方式との比較
5.基本構造
5-1.冷却ファン冷却型
5-2.圧縮空気冷却型
5-3.水冷型
6.ヒーターコントローラーと制御方式
6-1.手動制御→HCVシリーズ
ハロゲンヒーター用 手動電源コントローラー HCV シリーズの概要に移動
6-2.自動温度制御→HHC2シリーズ
高機能 ヒーターコントローラー HHC2 シリーズの概要に移動
6-3.階段制御→SSCシリーズ
条件設定・確認・記録、一台三役のヒーターコントローラーSSCシリーズの概要に移動
7.赤外線の吸収率
有機物の赤外線吸収率
無機物の赤外線吸収率
貴金属・重金属・有色金属の赤外線吸収率
稀土レアアースの赤外線吸収率
磁性金属の赤外線吸収率
8.使用上の注意
1)通電中のヒーターの加熱部を見る場合は濃いサングラスなどで眼を保護してください。
2)通電時や発熱時はヒーターに手が触れないように注意してください。
高温のため、火傷することがあります。
3)炉体・フレームなどは、必ず接地して下さい。
4)HPHシリーズの最高仕様温度は160℃です。
30秒以上通電した場合は仕様温度を超える恐れが有りますので、強制冷却を行ってください。
5)HPHシリーズは防爆型では有りません。
加熱・乾燥の際に引火性・爆発性の気体が発生する場合、排気などの安全対策を行ってください。
6)通電中は、HPHシリーズに直接加熱対象物を接触させないで下さい。
漏電やショートに因る発火の可能性があります。
7)炉内配線には、ガラス被覆シリコンゴム絶縁電線(シーゲル線)または、テフロン被覆電線
などの耐熱電線をご使用下さい。
8)ハロゲン光は発熱状態を目視確認できません。
温度計でヒーターや加熱対象物の温度を確認して下さい。
9)ハロゲン光は太陽光と同じ直進光ですから、加熱対象物や乾燥対象物に直接照射しなければ効果が有りません。ワーク形状によっては、反転・回転などの方向転換させながら均一にハロゲン光が当たるようにして下さい。
10)集光鏡面の劣化は著しい性能低下の原因となります。
集光鏡面の清掃は、柔らかい布に、アルコールやベンジンなどの溶剤を染込ませて軽く拭き取ってください。