1-8.熱風ヒーターの寿命について

熱風ヒーターのの寿命はご使用状況により異なり、複合的な要因により決定される為、寿命の推測は非常に困難で、弊社では寿命の保証はしておりません。
複合的な要因を挙げると、個々の部品の寿命、熱風ヒーターの制御方法、圧縮気体供給源の流量や圧力、圧縮気体供給源に混入すた水蒸気量やオイルミスト、衝撃や振動などあります。この中から最も熱風ヒーターの寿命を決める要因は発熱体の寿命です。その為、複合的な要因から発熱体の寿命に焦点を充てておおよその寿命を推測します。熱風ヒーターの故障の原因のほとんどが発熱体に関連するケースが多く、正常な消耗(寿命)で発熱体が断線することよりも、ご使用時の制御ミスや無風通電などによる過熱断線のによる故障が多くを占めています。

発熱体の寿命も複合的な要因で決定されますが、最大の要因は発熱体の最高温度です。発熱体の温度は場所によって差があります。気体供給側から発熱体を通過して熱風出口に向かって段々と気体温度が上昇する為、最高温度になる箇所は熱風出口側です。寿命を推測する為の重要な点は最高温度を計測することです。温度測定は非接触の放射温度計が適しています。測定結果からおおよその発熱体の寿命を推測することができます。

下のグラフは発熱体温度と寿命の関係を表したものです。

発熱体は高温になると、金属原子が金属イオンとして発熱体から分離して消耗します。

発熱体温度 1150 ℃ → 上図より 約300 時間の寿命
発熱体 温度1100 ℃ → 上図より 1000~2000時間の寿命
発熱体温度 1000 ℃ → 上図より ほとんど半永久的寿命

温度の過上昇による熱風ヒーターの焼損防止対策

1.熱風ヒーターに電圧を掛ける前に必ず適切な流量を供給すること。コントローラーにインターロック機能をつけるとより安心です。

例)ヒーターコントローラーHCAFM(流量インターロック付きヒーターコントローラー)

2.熱風ヒーター内部の発熱体温度を監視し、制御すること。発熱体温度が1200℃付近になると短時間で発熱体が焼損するリスクが高くなります。温度調節器で設定温度以上にならないように設定すると安心です。

例)+2S仕様 発熱体温度センサーオプション