5-2.SSR

SSRは半導体で作られたリレー( Solid State Relay)です。

■機械式リレーの特長

①電圧出力で電圧でも電流でも同時に制御できる。
②電流出力で電圧でも電流でも同時に制御できる。
③交流出力で交流でも直流でも同時に制御できる。
④直流出力で交流でも直流でも同時に制御できる
⑤ノイズに影響されることはほとんど無い。
⑥ノイズをコイルで絶縁して遮断できる。
⑦耐熱性が高い。
⑧簡単に自己保持回路が組める。
などの数々の優れた点があります。

■機械式リレーの欠点

①コイルに誘導起電力が発生するためにバイパス回路を設けなければならない。
②コイルで動作するので入力されてから出力が発生するまでに遅延が生じる。
③接点は板バネなので、金属疲労による寿命がある。(機械的な寿命)
④接点にアークが発生して、接点が劣化する。(電気的な寿命)
⑤接点にアークが発生してノイズが生じることがある。
などの欠点があります。

■SSRの特長

半導体リレーは、ヒーターコントロール上の機械式リレーの問題を解決しました。
①半導体回路のヒステリシス性はコイルに比べて格段に小さい。
②また誘導起電力が発生しないため、入力回路が簡易になる。
③接点が存在しないためノイズ対策が不要になる
④接点が存在しないため寿命が長い。
という多くのメリットがあります。

■SSRの欠点

①半導体素子は必ず電圧降下(オン抵抗や順方向電圧降下)があり、負荷電流が大きくなると発熱が無視できなくなります。
②5A程度の負荷電流ではせいぜい10W程度の発熱量のため簡易な放熱で済みます。しかし、電動機やヒータの開閉用途では50Aや100Aという電流値のため発熱は無視できず強制風冷や大型ヒートシンクが必要となります。

■SSRの応用

SSRは主にPWMという制御方法で使用されます。
PWM(Pulse Width Modulation)は、高速スイッチングにより電力を制御する方式です。
定電圧の入力から、高速パルス列のオンとオフの一定周期を作り、 オン時間幅(デュ-ティ比)を変化させます。
疑似的に、デュ-ティ比を電圧比と看做す制御方式をPWM制御と呼びます。