2-2.白金測温抵抗体

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測温抵抗体(そくおんていこうたい)とは、金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサーです。
金属は1K温度が上昇すると約0.3%程度抵抗が増加します。
原理的にはどの金属でもいいのですが、温度に対する抵抗変化が一定で、変化率が大きいことから一般的には白金(Pt)が用いられます。
白金抵抗体温度計は1885年にカレンダー ファンデューセン(Calende-Van Duesen)が発明しました。

測定方法は金属抵抗に一定の電流(一般には1mA)を流し測定器で電圧を測定し、オームの法則E=IRから抵抗値に換算し、温度を導き出します。

これを式に書くとき、金属の抵抗率ρは,温度t(℃)を用います。

ρ=ρ0(1+αt)

ρ0は0℃における抵抗率で,αは抵抗温度係数です。金属の長さlや断面積Aが温度によって変化する程度は極めて小さいので,上の式の両辺にl/A をかけると次の式になります。

R=R0(1+αρ)

この式を使って白金(Pt)の抵抗値を測ることによって温度を求めるのが白金抵抗体であす。 白金抵抗体は直径が数十μmの白金をガラスやセラミックスなどに巻き,保護管に入れた構造です。

白金測温抵抗体の温度測定範囲は-200~500℃程度です。

2線式

測温抵抗体素子の両端にそれぞれ1本の導線を接続した形ですが導線抵抗の影響を受けるため、高精度測定を必要とする場合には適しておりません(A級およびシース抵抗体規格JIS・C1606-1989には適用しません)。

3線式

測温抵抗体素子の一端に2本、他の一端に1本の導線を接続した形で、導線抵抗の影響を除き、工業用では最も多く用いられ、また信頼性の高い計測方法です。

4線式

測温抵抗体素子の両端に、それぞれ2本の導線を接続した形で、導線抵抗の影響を除き、特に高精度の計測を必要とする場合に向いています。