窒素は-195.8℃まで気体を保ちます。-210℃までは液体です。-210を超えると氷となり固体化します。安価な冷却剤として多く利用されています。
液体窒素は冷却剤としてよく使用されますが、冷却ガス源としても利用されています。
窒素の発見者の特定は困難です。
1772年スコットランドの物理学者ダニエル・ラザフォード(1749-1819)が窒素を単体分離し、その中に生物を入れると窒息して死んでしまうことからnoxious air(有毒空気)と命名しました。
ダニエル・ラザフォード
ほぼ同じ時期にスウェーデンの化学者カール・ヴィルヘルム・シェーレ(1742 – 1786)とイギリスの化学者、物理学者ヘンリー・キャベンディッシュ(1731 – 1810)も単体分離したと言われており、シェーレは酸素を「火の空気」、窒素を「駄目な空気」と命名しました。
カール・ヴィルヘルム・シェーレ
ヘンリー・キャベンディッシュ
窒素が元素であることを発見したのはフランスのアントワーヌ・ラヴォアジエ(1743-1793)で、フランス語で「生きられないもの」という意味の”azote”と命名しました。
アントワーヌ・ラヴォアジエ
液体窒素を造るには、
①空気を圧縮し液体空気を作ります。
②その後気化させてゆくと、気化温度の違いにより、先に沸点ー183℃の酸素が気化します。
③沸点ー196℃の窒素が液体のまま残ります。
この様にして酸素をとった残りのものが液化窒素です。多少のアルゴンが不純物として残留します。
液体窒素は生体組織に付着すると容易に凍傷を引き起こし、また密閉空間で急激に気化させると酸素欠乏症に陥るので慎重な取り扱いが必要です。
東京大学の保安教育用テキストをご紹介します。
「利用の手引」(寒剤編)