Ⅰ期 予熱期間
初期状態から乾燥条件に適応した状態へ変化します。
Ⅱ期 定率乾燥期間
材料の表面と中心温度は同一に保たれ、含水量が時間とともに直線的に減少する期間です。
セラミック材の様に硬質の安定している材料では、出来るだけ早くⅡ期(定率乾燥期間)からⅢ期(減率乾燥期間)に移行することが求められています。
逆に液状塗料では、適切な温度勾配を保たないと、発泡やワキなどの塗膜欠陥が発生します。
定率乾燥は恒率乾燥と呼ばれることも有ります。
Ⅲ期 減率乾燥期間前期
表面温度が急速に急速に上昇し始め、中心温度も表面温度に追従して上昇します。
Ⅳ期 減率乾燥期間後期
材料の表面温度は熱源温度近くまで上昇し、上昇速度はゆっくりですが、中心温度は平衡含水率に近づき急速に上昇し、最終的には熱源の温度に近づきます。
Ⅴ期 平衡乾燥率期間
材料の表面温度と中心温度は熱源温度に近づきます。 材料の乾量含水率(含水比)は平衡含水率となり、これ以上水分の移動は有りません。
上記のように、加熱乾燥では5つの相(期間)が出現しますが、どんな材料を加熱しても5つの相(期間)が出現するわけではなく、定率乾燥期間や減率乾燥期間はどちらか一方しか出現しないことも有ります。