絶対湿度~乾燥の科学

2-5.絶対湿度

絶対湿度

一般に、単に「湿度」というと「相対湿度=RH」を指しますが、乾燥装置の設計や制御では、温度が変わっても値が変化しない絶対湿度を使用するのが便利です。

絶対湿度とは、空気中にどれだけの水が存在しているかという量のこと。

相対湿度とは、空気中に溶け込める水の量=飽和水蒸気量に対して、実際にどれだけの水が溶け込んでいるかという量のこと。

装置内の密閉した空気を加熱すると、飽和水蒸気量が多くなるので、相対湿度は低下しますが、絶対湿度は変わりません。

容積絶対湿度VHと重量絶対湿度SH(混合比)があります。
国際的には絶対湿度と言えば容積絶対湿度VHのことです。
日本では空調に関係する分野で重量絶対湿度SHが「絶対湿度」とされているので、注意が必要です。

容積絶対湿度 VH

容積絶対湿度とは、空気1㎥に何グラムの水蒸気が解けているか、大気の単位容積に含まれる水蒸気の量を重量で示したものです。(単位:g/m3)飽和水蒸気量ともいわれます。

VH 容積絶対湿度
mw 空気中の水蒸気の質量
Va 大気の容積

重量絶対湿度 SH

重量絶対湿度とは、空気1kgに何キログラムの水蒸気がとけているか、乾燥空気の重量に対して湿潤空気中に含まれる水蒸気の重量の比です。

SH 重量絶対湿度
mw 空気中の水蒸気の質量
mDA 乾燥空気の重量