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熱力学第0法則-熱平衡の法則
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(James Clerk Maxwell、1831年6月13日 – 1879年11月5日)イギリスの理論物理学者
熱力学の体系が出来上がった後、 ジェームズ・クラーク・マクスウェルが基本法則の一つとして数えた。
物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならば、AとCも熱平衡にある
AT=BT, BT=CT ⇒ AT=CT
数学的推移律が成り立ちます
熱平衡=熱力学的平衡は、熱力学系が熱的、化学的、力学的に平衡であることをいう。
つまり、物質やエネルギー(熱)の正味の流れがなく、相転移(氷から水への変化など)も起こっていない状態のことである。
系が熱力学的平衡状態にある場合、系を外界から孤立させても変化は生じない。
熱力学第1法則-(エネルギー保存の法則)
ジェームズ・プレスコット・ジュール(英: James Prescott Joule, 1818年12月24日 – 1889年10月11日)はイギリスの物理学者。
ユリウス・ロベルト・フォン・マイヤー(Julius Robert von Mayer, 1814年11月25日 – 1878年3月20日)は、ドイツの物理学者。
ジュールとフォン・マイヤーは同時代に個別にエネルギー保存則(熱力学第一法則)を発見したとされています。
「ある系にΔQだけの熱を与えると、外部に対してΔWの仕事をして残りは内部エネルギーΔUとして蓄積する。」
ΔQ=ΔW+ΔU
ΔQ:系に与えられた熱量
ΔW:系から取り出された仕事
ΔU:系の内部エネルギー Uの増加量
熱力学第2法則-(不可逆性の法則)
ルドルフ・ユリウス・エマヌエル・クラウジウス(Rudolf Julius Emmanuel Clausius, 1822年1月2日 – 1888年8月24日)は、ドイツの物理学者
1854年に論文「力学的熱理論の第二基本定理の1つの改良型について」を発表。熱力学第二法則を確立させた。
「熱は常に温度差をなくする傾向を示し、したがって常に高温物体から低温物体へと移動する。」
Q:仕事から発生した熱量
T:温度
熱力学第3法則-絶対零度でエントロピーはゼロになる。
ヴァルター・ヘルマン・ネルンスト(Walther Hermann Nernst、1864年6月25日 – 1941年11月18日)はドイツの化学者、物理化学者。
1906年に論文で発表、1920年に熱力学第三法則の功績によりノーベル化学賞を受賞
絶対零度でエントロピーはゼロになる。
フーリエ の法則–熱伝導方程式-熱流束密度 は温度勾配に比例する
ジャン・バティスト・ジョゼフ・フーリエ男爵(Jean Baptiste Joseph Fourier, Baron de、1768年3月21日 – 1830年5月16日)は、フランスの数学者・物理学者。
1812年、論文「熱の解析的理論」を提出しアカデミー大賞を受賞
1822年、著書『熱の解析的理論 (Théorie Analytique de la Chaleur) 』を出版
単位時間に単位面積を流れる熱流(熱流束密度)を J [W/m2] とし、温度をT とすると、分子論的熱緩和時間より十分長い時間(定常状態と見なせる時間)領域での現象に対して、熱流束密度J は温度勾配 grad T に比例する。
J [W/m2] : 熱流(熱流束密度)
λ: 熱伝導率
grad T : 温度勾配
T : 温度
物質が等方的であればλはスカラーで表現されます。
一般に非等方的3次元系ではJ と grad T の向きは一致せず、熱伝導率はテンソルで表現されます。
フィックの拡散の法則-拡散流束は濃度勾配に比例
アドルフ・オイゲン・フィック(Adolf Eugen Fick, 1829年9月3日 – 1901年8月21日)はドイツの生理学者、物理学者、医師
フィックの拡散の法則は、1855年に発表され、第1法則と第2法則があります。
第1法則は、定常状態拡散、つまり、拡散による濃度が時間に関して変わらない時に使われ、「拡散流束は濃度勾配に比例する」という法則です。 工業的な定常状態拡散は水素ガスの純化に見られます。
J=-D grad c
J は拡散束または流束 (flux)といい、単位時間当たりに単位面積を通過する、ある性質の量と定義される。質量が通過する場合には次元は[ML-2T-1]で与えられます。
D は拡散係数 (diffusion coefficient)、次元は[L2T-1]
c は濃度で、次元は[ML-3]
第2法則は、非定常状態拡散、つまり、拡散における濃度が時間に関して変わる時に使われます。 普通の拡散は非定常状態です。 拡散係数D が定数のとき、濃度c の時間変化は次の拡散方程式で表されます:
J は拡散束または流束 (flux)、単位時間当たりに単位面積を通過するある性質の量と定義します。 質量が通過する場合には次元は[ML-2T-1]で与えられます。
D は拡散係数 (diffusion coefficient)、次元は[L2T-1]
c は濃度で、次元は[ML-3]
ジュールの法則
ジェームズ・プレスコット・ジュール(英: James Prescott Joule, 1818年12月24日 – 1889年10月11日)はイギリスの物理学者。
ジュールの法則は熱力学第一法則の発見者ジェームズ・プレスコット・ジュールによって発見され、1840年英国王立協会に発表、さらに詳細な論文を「フィロソフィカル・マガジン誌に発表されました。
ジュールの第一法則は導体を流れる電流と、電流によって生み出される熱の関係を示した法則です。
Q:生み出される熱量(J)
I:電流値(A)
R:抵抗値(Ω)
t:通電時間(s)
ジュールの第二法則は、理想気体の内部エネルギーはその圧力や体積には依存せず、温度にのみ依存するという法則です。
U:理想気体の内部エネルギー
T:理想気体の温度
f:理想気体エネルギー関数
ボイル・シャルルの法則
ロバート・ボイル、リズモア男爵(Robert Boyle、1627年1月25日 – 1691年12月30日)はアイルランドの自然哲学者、化学者、物理学者、発明家。
ジャック・アレクサンドル・セザール・シャルル(Jacques Alexandre César Charles, 1746年11月12日 – 1823年4月7日)はフランスの発明家、物理学者、数学者、気球乗り。
ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサック(Joseph Louis Gay-Lussac、1778年12月6日 – 1850年5月9日)は、フランスの化学者 、物理学者
ボイル・シャルルの法則は、理想気体の体積と圧力と温度に関係する法則。
ロバート・ボイルが発見したボイルの法則と、ジャック・シャルルが発見したシャルルの法則を組み合わせたものです。
ボイルの法則は1660年ボイルが発見。
シャルルの法則は、1787年にジャック・シャルルが発見し、1802年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックによって初めて発表されました。
「気体の圧力P は体積V に反比例し絶対温度T に比例する」
V∝T
V=Vo(1+t/237.15)
K:絶対温度-273.15℃
0℃の理想気体は273℃で2倍に膨張します。
25℃の理想気体は298℃で2倍に膨張します。
アボガドロの法則
ロレンツォ・ロマーノ・アメデオ・カルロ・アヴォガドロ クアレーニャとチューレットの伯爵(Lorenzo Romano Amedeo Carlo Avogadro, conte di Quaregna e Cerreto、1776年8月9日 – 1856年7月9日)は、サルデーニャ王国(現:イタリア)トリノ出身の物理学者、化学者。
全ての理想気体の1kmolの体積は、標準状態において、同一の体積、V=22.413m3を持つ。
(標準状態:P=1.01325xHPa T=273.15K ≒0℃/1atm)
ニュートンの冷却の法則
アイザック・ニュートン(Isaac Newton, 1642年12月25日 – 1727年3月20日)は、イングランドの物理学者、自然哲学者、数学者
液体や気体などの媒質中におかれた高温の固体が媒質によって冷却される様子を表した法則です。
この法則は経験的に導かれた法則なので媒質と固体との温度差が極端に大きい場合には成り立たないこともありますが、日常的な範囲で十分実用です。
媒質中の固体から媒質に熱が伝わる速度は、固体の表面積及び固体と媒質の温度差に比例します。
固体の持つ熱量Q 、時刻t 、固体の表面積S 、固体の温度T 、媒質の温度Tm の間には次の関係が成り立ちます。
ここで比例定数αは固体の表面、媒質の性質および流れ方などによって決まる定数で、熱伝達率または表面熱伝導率といいます。