5-3-1.ヒーターからの距離
ヒーターから照射された赤外線は空間を伝搬して加熱対象物に到達して、吸収されます。
真空中でなければ空間には空気が存在しますので、赤外線は空気を加熱することになります。
そして、その分、加熱対象物に到達する熱量は減衰します。
加熱対象物とヒーターの距離は近いほど有利です。
5-3-2.水蒸気の除去
空気を簡易的に窒素80%、酸素20%の気体だとすると、乾燥作業により水蒸気の含有量が増加します。
ヒーターから照射された赤外線は水蒸気を加熱して吸収されます。
そして、その分、加熱対象物に到達する熱量は減衰します。
赤外線は乾燥した空気中で照射する方が有利です。
5-3-3.照射角度
多くの物質では照射角度が60°を超えると急速に吸収率が悪くなります。
※指向放射率は温度で変化します。5-3-4.反射光の再利用
ヒーターから照射された赤外線は加熱対象物に到達して、反射されます。
(1) 反射された赤外線は空間中に拡散されてしまいますが、直角照射による正反射ほど反射鏡に入光量が大きく再利用されます。
(2) 乱反射された赤外線は空間中に拡散されてしまいますが、充分に反射鏡が大きいと再利用されます。
5-3-5.揮発物の除去
加熱対象物の揮発物がヒーターの反射鏡に付着するとヒーターの反射効率を落とし、
そして、その分、加熱対象物に到達する熱量は減衰します。
揮発成分が発生するようなものは、垂直加熱を避けて水平加熱します。