1879年にフランスの物理学者マリー・アルフレッド・コルニュ(Marie Alfred Cornu1841-1902)が太陽光のスペクトル観測において紫外線の遮蔽があることを発見しました。
1880-1881年にイギリスの物理学者ウォルター・ハートレイ( Sir Walter Noel Hartley 1845-1923) がその原因はオゾンであることを発見しました。
1913年にイギリスの物理学者レイリー卿(ジョン・ウィリアム・ストラット)(3rd Baron Rayleigh John William Strutt 1842-1919 アルゴンガスの発見で1904年ノーベル物理学賞を受賞)は下層大気では紫外線の吸収が無いことを発見しました。
1913年に2人のフランスの物理学者シャルル・ファブリ(Charles Fabry、1867-1945) とアンリ・ビュイソン( Henri Buisson 18731944) が「オゾン層」の存在を発見しました。
1920年にイギリスの物理学者ゴードン・ドブソン(G.M.B).Gordon Miller Bourne Dobson (1889-1976) が科学的測定によってオゾン層の存在を証明しました。
成層圏中では、酸素分子が、太陽からの242nm以下の波長の紫外線を吸収して光解離し、酸素原子になります。
この酸素原子が酸素分子と結びついてオゾンとなり、生成したオゾンは320nm以下の波長を持つ紫外線を吸収し、酸素分子と酸素原子に分解するという反応も同時に進行します。
hν = 光(太陽からの紫外線)のエネルギー
M = 窒素や酸素の分子で、反応のエネルギーを受け取る
O = 酸素原子
O2 = 酸素分子
O3 = オゾン
成層圏上部では生成反応が優勢
O2 + hν → 2O
O + O2 + M → O3 + M
成層圏下部や地表では分解反応が優勢
O3 + hν → O + O2
O + O3 → 2O2
この反応のメカニズムは1930年にイギリスの物理学者シドニー・チャップマン(Sydney Chapman 18881970)によって考え出されました。
酸素分子の密度は高度と反比例して低く(空気が薄く)なり、紫外線は高度と比例して強力になります。
大気中のオゾンは、90%以上が成層圏(地上11~50km)に存在し、オゾン層(地上20~25km)では濃度は2~8ppmで、地表の0.03ppmと比較すれば66~266倍です。