下の式はオゾンの殺菌のメカニズムを示します。このようにオゾンは、他の物質を酸化させる力が強く、殺菌での効力を発揮します。その酸化力は、塩素の約1.8倍と言われています。
オゾンが水に対して酸化剤として働くときの反応式です。
O3+H2O+2e- → O2+2OH-
酸性溶液中では溶液内の水素イオンがオゾンと直接反応して水ができてしまい、酸化剤としての効き目は有りません。
つまり、殺菌の効き目を追及する為に、酸性溶液にオゾンを注入しても無駄です。
O3+2H- + 2e- → O2+H2O
日本では食品添加物としてオゾンが認められています。 食品の殺菌剤として主流の次亜塩素酸ナトリウムと比較して、そのままオゾンガスを溶かすのではなく、水道水を電解し陽極にできたオゾン水によって濃度を高めることができるために殺菌力が高くできます。使用後の洗浄が不必要で安全性が高く食品の味を損ねにくい、また、有害残留物のクロロホルムを生成しないという点が大きな差です。
海外では水道水の殺菌に塩素の代わりにオゾンが用いられる事も多いようです。アメリカでは、1997年6月に食品の殺菌剤として安全性に問題がないGRAS(一般安全認定)に分類され、FDAが2001年6月に食品添加物として安全であると発表しています。オゾンは有機塩素化合物を生成しないため、処理後の水にも残留せず、塩素と比較して味や匂いの変化が少ないのです。 従って、いくつかのシステムでは配管での細菌増殖を防ぐために少量のオゾンを添加することがあります。日本でも、東京都水道局や大阪市水道局で水道水の殺菌の一環として用いられており、追随する自治体も増えています。
気体オゾンは、毒性により高度な濃度管理が求められるため、オゾンガスをミキシング又はバブリングと呼ばれる手法で水に溶け込ませたり、電気分解により水に含まれる酸素を利用して作る「オゾン水」として活用される例が増えています。 オゾンの不安定な性質により数十分で水に戻るので残留性のない殺菌水として使えるほか、塩素系殺菌剤やエタノール系殺菌剤を使えないところにも使用できます。
工業分野では、半導体の基板表面の有機物や金属の除去・洗浄にRCA洗浄が主流でアンモニアや塩酸フッ化物が用いられます。 オゾンガスを溶媒させたオゾン水は排水処理の面で廃水処理費が安価なため、代替として使用されています。