紫外線による殺菌の原理は、水中でも空気中でも基本は変わりません。
対象を「ウイルスと細菌」に分けると、細菌は細胞を持ち、ウイルスは細胞を持ちません。
細菌は細胞分裂で増殖し、ウイルスは感染した相手の「情報」を自分の情報に書き換えます。
紫外線は細菌やウイルスの核の中のDNAに吸収されます。
紫外線に対するDNAの吸収スペクトルは、約265nmと約185nmの2箇所にピーク有ります。
185nmの紫外線は、DNAへの吸収率としては良いのですが、空気中の酸素や、ランプに使用される石英ガラスが、185nmを吸収するためこの用途には使用されません。
紫外線はDNAのをピリミジン基が連続している部位を攻撃し,ピリミジンダイマー(二量体化して)を形成、細菌のDNAの遺伝コードを破壊します。正しいDNAコードがなくては細菌は増殖することができなくなます。さらに細胞内で活性酸素を発生させ,膠原線維や弾性線維の切断,変性を引き起します.たとえ生き残っても、増殖することができなければ害を及ぼすことも不可能となり、実質的には死滅したも同然となります。 当然、増殖できず子孫を残すことが出来なければ絶滅の途をたどります。
紫外線殺菌に必要な紫外線の量(紫外線の量x秒数の積)は、菌ごとに一覧表化されています。
そのため紫外線ランプからの紫外線量をもとに照射秒数を割り出して、合理的に紫外線殺菌は行えます。